【開運さんぽ・ご利益】
疫病退散の神様仏様「角大師」「黄ぶな」


 2021年の松の内も過ぎましたが、残念ながら新型コロナウイルスの勢いが収まりません。東京都では新規感染者が連続して2,000人を超え、全国でも6,000人超と最多を記録しています。そのため2021年1月7日(木)、首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)を対象に緊急事態宣言が再発出されました。飲食店などに午後8時までの営業時間短縮、不要不急の外出自粛が要請されています。今後、大阪府・兵庫県・京都府でも発出される可能性があります。
 緊急事態宣言の期間は1月8日〜2月7日の1ヶ月で、この間に少しでも沈静化することを祈るばかりです。

●元三大師の法力を秘めた魔除け札「角大師」
 魔除けのお札として有名なのが「角大師(つのだいし)」です。
 天台宗の高僧、慈恵大師(じえだいし:919年〜985年)は比叡山中興の祖であり、正月三日に亡くなったため元三大師(がんざんだいし)とも呼ばれます。人並みはずれた霊力を持っていたといわれます。
 平安時代の994年(永観2年)、世に疫病が流行しており、慈恵大師のところにも疫病神がやって来ました。慈恵大師は疫病神に触られるとたちまち高熱を発したのですが、法力をもって疫病神を退散させました。
 翌朝、お大師様は弟子に鏡を持って来させ、一心に念じると、鏡に写ったお大師様の姿が恐ろしい鬼に変わったのです。これを弟子が描き写して版木に彫り、魔除けのお札として戸口に貼るよう人々に告げました。これが「角大師」のお札であり、特に江戸時代以降、全国に広まりました。

角大師
▲角大師(コピー)

 角大師のお札は天台宗のお寺や元三大師ゆかりの堂でいただけます。例えば、天台宗総本山の比叡山延暦寺では、横川エリアの元三大師堂になります。

東叡山 寛永寺[東京都台東区](角大師)※郵送可能
深大寺[東京都調布市](降魔札)

川崎大師 喜多院[埼玉県川越市](門札)

天台宗総本山 比叡山延暦寺[滋賀県大津市]

廬山寺 ろざんじ[京都府京都市上京区](角大師護符)※郵送可能

(参考)天台宗 法話集 No.13 元三大師さま


●病気平癒と病気避けを願う宇都宮の郷土玩具「黄ぶな」
 栃木県宇都宮市に伝わる郷土玩具が「黄ぶな(きぶな)」です。
 その昔、宇都宮のある村に天然痘が大流行しました。一人の村人が病気の人に食べてもらおうと田川で魚釣りをし、大きくて黄色い不思議な鮒(ふな)を釣り上げました。それを食べた病人はたちまち治り、再び天然痘にかかることもありませんでした。
 村人たちは神様に感謝し、毎年新年、病気避けとして黄色い鮒の形をした物を神様に供えるようになりました。それが張り子の人形となり、郷土玩具として地元の人々に親しまれてきました。今では人形だけでなく、お土産のお菓子やグッズも作られています。

うつのみやの伝統工芸 黄ぶなについて

黄ぶな
▲黄ぶなの玩具

 栃木県宇都宮市雀の宮にある天台宗の正光寺では、「角大師」と「アマビエ」、さらに地元の「黄ぶな」の3体を配した、除疫開運の特別お守り札やTシャツを作成。ネットショップBASEで求めることができます。売上はチャリティーに寄付されます。

BASE 正光寺
正光寺 Facebook

下野新聞「コロナ収束願い 特製守り札 黄ぶな、アマビエの姿も 宇都宮の正光寺」

正光寺除疫開運


●「疫病を払う神様仏様」まとめ
 今年のお正月は初詣を控える人も多かったようです。昨年は、疫病流行を予言した妖怪「アマビエ」に一躍注目が集まり、ブームになりました。緊急事態宣言の再発出に際し、昨年お伝えしたアマビエ様などの「疫病を払う神様仏様」をまとめておきます。
 御朱印の授与などに関しては掲載時から変更になっている場合もありますので、詳しくは公式ホームページなどでご確認ください。

【開運さんぽ・ご利益】

(参考)ウィキペディア アマビエ