【開運さんぽ・仏閣】
<関東三十六不動霊場 第2番>
清瀧不動尊(大雄山道了尊)

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600年以上の歴史を誇る曹洞宗の古刹

 神奈川県は小田原の山中に鎮座する大雄山最乗寺。道了尊と親しまれている曹洞宗の古刹で、関東三十六不動霊場の第2番の札所として清瀧不動尊とも呼ばれます。
 今年7月25日(水)、訪れるのは二度目ですが、今回は不動霊場巡りとして参拝してきました。


【縁起】実在の弟子・道了尊者が変身した天狗が寺を守る

 寺の縁起によると、創建は応永元年(1394年)3月10日。
 石川県の大本山總持寺に輪住していた了庵慧明禅師が故郷の相模国に帰った後、1羽の大鷲が禅師の袈裟をつかんで足柄の山中に飛び去り、大松(袈裟掛けの松)の枝に引っ掛けるという出来事がありました。
 松の木は高く、袈裟を取ることができません。しかし、禅師が石の上で坐禅をしていると、自然に袈裟が落ちてきて、肩にかかりました。これを啓示として山中に建立したのが大雄山最乗寺とされます。

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 一方、愛称にもなっている「道了尊」の道了とは、了庵慧明禅師の実存した弟子、相模坊道了尊者のことです。寺を建てる総責任者となり、工事では大きな身体と怪力を活かして大活躍しました。応永18年、了庵慧明禅師が亡くなると、寺と参拝者をお守りするために山奥で天狗に変身したと言われます。
 現在は最乗寺の守護神、道了大権現として御真殿(妙覚宝殿)に祀られ、境内には天狗の像があちこちに立っています。


【道のり】大雄山駅から伊豆箱根バスで約10分

 電車ではJR・小田急の小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線に乗り換え、終点の大雄山駅まで約20分。大雄山駅を出て右手に伊豆箱根バスの乗り場があります。電車の到着に合わせて発車します。バスの本数が少ないので、乗り遅れに気をつけてください。

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 町を抜けて山道に入り、約10分ほどで「道了尊」停留所に到着。途中にある仁王門のあたりからすでに境内に入っています。
 「道了尊」停留所からは、大きな杉の木に囲まれた山道をしばらく登ります。三門をくぐるとすぐ、最乗寺の外塀が見えてきます。三門は平成15年に完成したもので、中には22体の仏像が祀られています。

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▲大雄山最乗寺公式ホームページより


【境内】緑深い山の中にたくさんの堂塔が散在

 本堂は昭和29年に再建されたものです。まずは本堂に上がって参拝しましょう。ご本尊の釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)の左右に、脇侍として文殊・普賢両菩薩を祀っています。大広間の天井に吊り下げられている八角形の飾りがとても美しいので、ぜひ真下から見上げてみてください。

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 本堂を出て右手に進むと、霊泉(金剛水)が湧き出ている金剛水堂の前に、洗心之滝(清心の滝)が流れています。
 その脇の石段を上がると、本尊清瀧不動尊と天祐不動明王・愛染明王を祀る不動堂があります。こちらでお不動様に参拝しました。

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 結界門の先は道了尊者の浄域とされます。石段を登ると道了尊者をご本尊とする御真殿(妙覚宝殿)があり、大きな鉄下駄がたくさん奉納されています。
 さらに奥へ進み、胸を突くような急勾配の石段を350段上がると、やっと奥の院に到着します。本当にキツイ! 奥の院には十一面観世音菩薩が祀られており、道了尊者は十一面観世音菩薩の化身と言われています。

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 参拝を終え、本堂に戻って白雲閣で御朱印をいただきました。こちらが総受付になっており、祈願受付やお守りの授与などを行なっています。

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 深い自然に囲まれ、清らかな水が湧き出て流れる境内は、静謐な空気が漂います。まさに天狗様が現れてきそうなほど。
 境内には他にもたくさんの堂塔やパワースポットがあります。以前の記事をご参照ください。


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 この日は、「道了尊」停留所からバスに乗り、日帰り温泉施設のモダン湯治 おんりーゆーに立ち寄り、森林を眺める露天温泉を楽しんでから帰りました。ここは宿泊もできるようです。


大雄山 最乗寺 だいゆうざん さいじょうじ(清瀧不動尊)
住所:神奈川県南足柄市大雄町1157
電話:0465-74-3121〜3(代)
ホームページ:http://www.daiyuuzan.or.jp
最寄駅:伊豆箱根鉄道大雄山線「大雄山」駅から伊豆箱根バス「道了尊」下車

宗派:曹洞宗
ご本尊:釈迦牟尼仏(護国殿)、道了尊者(御真殿)、不動堂(不動明王)、十一面観世音菩薩(奥の院)
札所:関東三十六不動霊場 第2番