【開運さんぽ・仏閣】
<関東三十六不動霊場 第7番>
川崎大師不動堂(金剛山金乗院平間寺)

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厄除け大師として全国に知られるお寺

 6月某日、関東三十六不動霊場の第7番、川崎大師に参拝して来ました。
 京急川崎駅で大師線に乗り換え。3つ目の川崎大師駅で下車。駅前から続く参道をしばらく歩くと、右手に川崎大師の塀が続きます。川崎大師大本堂は東を向いて建っており、ぐるっと回り込んで表参道に入るようになっています。

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 川崎大師の正式名は、金剛山金乗院(きんじょういん)平間寺(へいけんじ)。
 創建は平安時代の1128年(大治3年)。平間兼乗(ひらまかねのり)という貧しい武士が、夢のお告げによって海へ網を投げ入れると、弘法大師の木像を引き揚げました。その像に毎日、香花を捧げて供養していたところ、諸国遊化の途中だった高野山の尊賢上人が立ち寄り、話に感泣。二人で力を合わせて平間寺を建立したとされます。

 成田山新勝寺、高尾山薬王院とともに、真言宗智山派の大本山になっています(総本山は京都の智積院)。
 今は厄除弘法大師、または川崎大師という通称のほうが通りがいいでしょう。厄除けのお寺として有名で、正月の初詣には毎年約300万人が訪れ、神奈川県では常にトップです。


大本堂で護摩祈祷に参列

 四天王像が安置された立派な大山門をくぐると境内。献香所で身を清めて、正面の大本堂に向かいます。

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 大本堂は1964年(昭和39年)に落慶したもの。ご本尊の厄除弘法大師をはじめ、稚児大師、救世観音像、不動明王、愛染明王、金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅が奉安されています。

 大本堂で毎日修行されているのが護摩祈祷(ごまきとう)。仏の智慧の火をもって煩悩(苦の根元)を焼きつくすという真言宗の儀式です。厄除けはもちろんのこと、家内安全、商売繁昌、病気平癒、心願成就などを祈願します。厄除けをしてお護摩札を授与していただくには祈願料を添えて申し込みが必要ですが、参列だけなら誰でもできます。
 平常時は午前4回、午後は3回(日曜日及び毎月21日は4回)あります(詳しい時間は公式ホームページをご確認ください)。
 当日は平日だったので、午後3時30分が最後の回でした。護摩が始まってほとなくすると内陣へ先導され、ご本尊などを目前で拝むことができます。
 お参りするときには、合掌して、お大師様のご宝号「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えましょう。

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(川崎大師公式Webサイトより)


成田山から勧請されたお不動様

 不動堂は大本堂の左手になります。この不動堂は成田山新勝寺のご本尊を勧請して、1890年(明治23年)に落慶。現在の建物は1964年(昭和39年)に再建されたものです。
 毎月28日のご縁日には午後3時より不動尊大護摩供が修行されます。

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 不動堂の中で関東三十六不動霊場の御朱印をいただいていたら、3時30分の護摩祈祷が始まってしまい、慌てて戻ることに(汗)。御朱印は時間がかかるので、余裕を持っておきましょう。

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広い境内にはお堂や碑蹟がたくさん!

 大本堂にお参りしてそのまま帰ってしまう人も多いでしょうが、川崎大師はとても大きなお寺で、たくさんのお堂があります。

経蔵
 中国最後の木版大蔵経「乾隆版大蔵経」を収蔵。ご本尊は釈迦如来で、天井の「飛天」図が美しいです。

八角五重塔(中興塔)
 1984年(昭和59年)に落慶。八角形をした珍しい塔です。第1日曜日(冬季を除く)とご縁日(21日)に拝観できます。

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薬師殿
 元々は自動車交通安全祈祷殿でしたが、東門駅近くへ移転したために、開創880年の記念事業として2008年(平成20年)に薬師殿として生まれ変わりました。
 インド風の建物に薬師瑠璃光如来尊像と十二神将を奉安。ご本尊のご分身「なで薬師」をなでて、身体健全や病気平癒を祈念できるそうです。
 以前は自動車が入っていた前庭は、広々とした「やすらぎ広場」になっており、休憩するのに良さそうです。ただ、訪れた日は時間が遅かったせいか、建物が閉まっていて、中に入って参拝できませんでした。

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福徳稲荷堂
 大本堂と不動堂の間に建つお稲荷さん。昭和20年4月15日未明の空襲でほとんどすべてのお堂を焼失した中、難を逃れた貴重なお堂です。

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日本百観音霊場お砂踏み参拝所
 不動堂から薬師堂へ回る途中に「つるの池」があり、やすらぎ橋が架かってます。池に沿うように作られているのが、2017年(平成29年)に開創890年記念事業として建立された「日本百観音霊場お砂踏み参拝所」です。
 日本百観音霊場(西国三十三観音、坂東三十三観音、秩父三十四観音各霊場)のお土砂と観世音菩薩像(レリーフ)が並び、レリーフに手を触れて歩くことで百観音を参拝。最後に聖観音銅像前の「やすらぎの鐘」を打ち鳴らすことで、諸願成就を祈願できます。

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 また、境内には句碑や記念碑、塚や供養塔などが多数あり、境内で配布されていた「川崎大師境内碑蹟めぐり」のパンフレットでは46を数えます。
 ここでは書ききれない見所がまだまだあるので、ゆっくり回って参拝してください。

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 大山門前の参道には土産物屋、食事処がズラリと並んでいます。名物といえば、赤い開運ダルマ。店先でトントンとリズムに乗って飴を切る飴屋さんでは、咳止め飴が有名で、今はさまざまな味が用意されています。久寿餅(くずもち)は小麦粉を発酵させたお餅に、黒蜜ときな粉をかけていただきます。
 平日は、護摩祈祷が終わった午後4時過ぎにはほとんどの店が閉店してしまうので、お早めに。

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金剛山 金乗院 平間寺(川崎大師不動堂) こんごうさん きんじょういん へいけんじ
住所:神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
電話:044-266-3420
ホームページ:http://www.kawasakidaishi.com
最寄駅:京浜急行大師線「川崎大師駅」下車、徒歩約8分

ご本尊:厄除弘法大師
宗派:真言宗智山派
札所:
関東三十六不動霊場7番
関東八十八箇所特別霊場
新四国東国八十八箇所1番
武相不動尊1番
京浜四大本山

※この記事は、川崎大師公式Webサイト・パンフレット、ウィキペディア「平間寺」などを参考にしました。