【開運さんぽ・仏閣】
霊場と巡礼

20170820_P7078365


聖地を目指して遠く出かける巡礼の旅

 巡礼(じゅんれい)とは、宗教の聖地を参詣すること。特に、身近にある宗教施設を日常的に参拝するのではなく、遠く離れた地にあるより高貴な聖域を目指して行くものとされます。
 巡礼は特別な宗教儀式として、多くの宗教で行われています。例えば、イスラム教のメッカ巡礼、ヒンドゥー教のガンジス川沐浴、そしてカトリックの三大巡礼地は、ローマ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン北西端部の都市)、エルサレムです。
 日本では四国八十八箇所のお遍路が有名ですが、お伊勢参り、熊野詣、富士講なども巡礼です。お正月の七福神巡りも巡礼の一種でしょう。

 聖なる場所は、俗の世界から遠く離れたところにあります。交通機関や宿泊施設が発達した今では、信者でなくとも、手軽に聖地を訪れることができますが、かつては徒歩で山を超えたり、車で何日もかけてたどり着いていました。場所や国によっては、一生に一度でも行けたら幸運だったかもしれません。苦難を乗り越えることは修行であり、自分の信心の深さを表す方法なのです。

 ただ、巡礼には遠くまで行く旅行の楽しみもあります。見知らぬ景色を眺め、土地の人や同行者と触れ合い、その土地の食材や料理を味わうのは、昔も今も変わりません。苦あれば楽あり。


日本にもたくさんある霊場巡り

 霊場(れいじょう)とは、神仏の霊験あらたかな場所のことです。日本では神社仏閣のほか、滝や巨石などの信仰の場、修行僧らの修行の場のこともあります。

 例えば四国八十八箇所は、空海(弘法大師)が歩いたとされる四国の88カ所の寺院を巡りますが、この寺院が「霊場」です。
 特に四国八十八箇所では、霊場寺院を巡ることを「遍路(へんろ)」と言い、巡礼者のことを「お遍路さん」と呼びます。
 また、四国八十八箇所の霊場寺院は真言宗がほとんどですが、中には臨済宗や曹洞宗などの寺院もあります。ご本尊は釈迦如来から薬師如来までさまざまです。

 一方、同じ仏様のご本尊を祀る寺院を回る、霊場巡りがたくさんあります。以下の他にも阿弥陀佛霊場、愛染明王霊場などがあり、弘法大師にちなむ霊場八十八箇所も四国だけではありません。
 ちなみに、霊場を巡って参拝することを「巡拝」とも呼びます。

●観音菩薩霊場(観音霊場)
 霊場巡りで一番多いのが、観音様を祀る観音菩薩霊場です。全国各地に三十三観音霊場が存在しますが、中でも西国三十三所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所を合わせて、日本百観音とされます。
 観音菩薩(観世音菩薩)は慈悲と智慧によってすべての人々を救済する仏。観音霊場がなぜ三十三カ所かというと、観音様は三十三の姿に変化して人々を救うとされるからです。

・東海百観音
・出羽百観音
 など


●不動明王霊場(不動霊場)
 不動明王を祀るのが不動明王霊場です。なぜ三十六かは諸説あるようですが、不動明王の眷属である三十六童子にちなんでいるそうです。

など


●地蔵菩薩霊場(地蔵霊場)
 百八とは、人間の煩悩の数です。

・京都六地蔵 
など

●薬師如来霊場
 薬師如来はその名の通り、病苦から救ってくれる医薬の仏です。

西国薬師四十九霊場
・関東九十一薬師霊場
など


霊場巡りでは必ずお経やご真言を唱える

 霊場巡りでは霊場寺院を「札所」と呼び、「○番札所」と番号が振られていることがあります。これは効率的に回るためのコース案内のようなもので、必ずしもこの順番通りに回る必要はありません。
 また、八十八箇所や三十三箇所のように霊場が多いなら、何回かに分けて回っても問題ありません。

 これらの霊場巡りでは、霊場寺院を訪れたらまず身を清め、般若心経などのお経やご真言を唱える、願い事を唱える、写経を納めるなど、それぞれに作法があります。中でもお経やご真言を唱えるのは最低限必要なことです。
 そして、参拝してお経を納めた印として、納経帖に御朱印をいただきます。これこそ、今や大ブームとなっている御朱印の元です(御朱印帖は単なるスタンプ帳ではありません)。

 巡礼では、病気平癒や開運成就など特別な願いをかけて回る人も多くいます。神仏への祈願・修行の期間が終わることを「満願(まんがん)」と呼び、神仏に祈った願いが叶うと「満願成就(まんがんじょうじゅ)」と言います。
 巡礼では定められた巡礼寺院をすべて回ることが「満願」あるいは「結願(けちがん)」となります。

 ちなみに、霊場の中にはご本尊が秘仏になっている寺院も多いのですが、干支に合わせて総開帳されることがあります。今年平成29年は酉年で、守りご本尊は不動明王。関東三十六不動尊霊場などで総開帳が今年いっぱい行われています。
 また、西国三十三所は今年草創1300年ということで、特別拝観などが行われています。