【開運さんぽ・仏閣】
柴又帝釈天

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実は日蓮宗のお寺である柴又帝釈天

 故・渥美清さんが、風来坊の“フーテンの寅”を演じた松竹映画『男はつらいよ』は、1969年の第1作から1995年まで、全48作品が公開された国民的人気シリーズです。原作と脚本も山田洋次監督の手によるものです。
 「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天でうぶ湯を使い、姓は車、名は寅次郎〜」という主題歌(作詞:星野哲郎、作曲:山本直純)に登場するのが、葛飾区柴又にある柴又帝釈天です。

 正式には経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)という日蓮宗のお寺で、その開基は江戸時代の寛永年間(1629年)とされます。ご本尊は大曼荼羅。
 一方、帝釈天(たいしゃくてん)は、元々インドの軍神であり、阿修羅と戦っていました。その後、仏の教えを聞き、梵天と共に護法の善神となりました。四天王を配下に持ち、人間界も監視しています。
 昔より、日蓮聖人が「衆生(しゅじょう)の病を無くさん」と願いをかけながら、帝釈天を刻んだ板本尊を安置。江戸中期になると、そのご利益から信仰が集まり、柴又帝釈天として知られるようになりました。
 帝釈天の縁日は庚申(こうしん)の日です。これは、江戸期の改修工事中に先の板本尊が行方不明になり、その後、見つかったのがたまたま庚申の日であったことによります。


映画の雰囲気そのままの参道も楽しい

 京成本線では、京成高砂駅で京成金町線に乗り換えます。電車の行き先に気をつけてください。
 京成柴又駅で下車すると、駅前で寅さんの銅像が出迎えてくれます。

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 駅前から参道が続きます。帝釈天まで約200m、道の両側にはお土産物屋、だんご屋、甘味、飲食店などがズラッと並んで賑わっています。店は変わっていますが、映画『男はつらいよ』の雰囲気はそのままです。いろいろ誘惑されますが(笑)、まずは参拝を済ませるために先を急ぎます。


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 参道の細い道を進み、柴又街道を渡ってしばらく行くと、立派な門が見えてきます。これは二天門といい、四天王のうち、南方守護の増長天と西方守護の広目天が安置されています(残りの二天は帝釈堂内)。
 明治29年建立。総欅造りで、日光東照宮の陽明門を模したと言われるほど豪華な造りになっています。

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 二天門を入って左手に、人々の罪や穢れを洗い清める御神水と、先の浄行菩薩があります。

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 そして正面に映画などでも見かける大きなお堂。実は、これは本堂ではなく、板本尊(帝釈天)を祀る帝釈堂(たいしゃくどう)です。題経寺の本堂は帝釈堂の右側。かつてはここが帝釈堂でしたが、現在の帝釈堂の内殿が大正4年(1915年)に、拝殿が昭和4年(1929年)に完成したことで、今は祖師堂(本堂)となりました。

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 靴を脱いで、帝釈堂に入ってお参りしましょう。ご本尊の帝釈天の左右には、四天王の持国天と多聞天(毘沙門天)が安置されています。
 この帝釈堂を守るように手前に大きく広がるのが、「瑞龍(ずいりゅう)の松」です。樹齢約500年のクロマツで、高さ約10m、幹回り約1.8m。都指定天然記念物にも指定されています。

 帝釈天には病気平癒、厄除けのご利益があるとされます。
 江戸時代の疫病大流行の際に病人を治したと言われる「一粒符(いちりゅうふ)」は、小さな護符を水で飲み込むという珍しいお守り。
 境内には、自分の病気や怪我と同じところをさすると、それが治るという「浄行菩薩」もいらっしゃいます。
 また、幸運を呼ぶお守り、加太守(かぶとまもり)が毎年お正月期間と初庚申の時にだけ授与されます。


「彫刻の寺」で見事な木彫を堪能する

 柴又帝釈天は「彫刻の寺」です。二天門はもちろん、帝釈堂の建物の周囲は見事な装飾彫刻で覆われています。
 中でも帝釈堂の壁面を飾る10面の浮き彫りは、法華経に説かれている代表的な説話10話をテーマに、当代の名匠・加藤寅之助をはじめとする10人の彫刻師が、大正11年(1922年)から昭和9年(1934年)にかけて彫り上げたものです。
 現在は保護ために、建物ごとガラスで覆われた彫刻ギャラリーになっています。この彫刻ギャラリーと、帝釈堂裏に広がる美しい庭園、邃渓園だけは有料で、拝観料は合わせて400円です。

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 さらに、彫刻ギャラリーに続く廊下を右に曲がると、祖師堂と渡り廊下でつながっています。この渡り廊下の欄間にも見事な彫刻が施されています。

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 他にも、経栄山最古の建造物で、白鳳期の釈迦立像を安置した釈迦堂(開山堂)。高さ約15mもの大鐘楼などがあります。

 すぐ近くの江戸川には、演歌で有名な「矢切の渡し」や、寅さん記念館もあり、1日遊べます。帰りには参道の商店街で美味しいものを食べて帰りましょう。


経栄山題経寺(柴又帝釈天)
住所:東京都葛飾区柴又7-10-3
電話:03-3657-2886
ホームページ:http://www.taishakuten.or.jp/index.html
最寄駅:京成線「柴又駅」徒歩約5分 

ご本尊:大曼荼羅、帝釈天(帝釈堂)