【開運さんぽ・神社】
上野東照宮


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徳川家康公を祀る東照宮は日光だけじゃない

 東照宮(とうしょうぐう)とは東照大権現、つまり江戸幕府の初代征夷大将軍、徳川家康を祀る神社です。
 家康公は元和2年(1616年)に74歳で亡くなりましたが、自分の死後のことを細かく遺言しました。
 まず、遺体は久能山に納め、御法会(葬式)は江戸の増上寺で行い、位牌は三州の大樹寺に納める。そして、一周忌が過ぎたら日光山に小さき堂を建てて勧請し候へ。

 はじめに遺体が運ばれた久能山には久能山東照宮が創建されます。
 そして、日光山の小さき堂こそ、現在の日光東照宮です。家康公は自ら神様となることで、死んだ後も江戸幕府と江戸の町を守ろうとしたのです。
 ただ、遺言では「小さき堂」のはずでしたが、江戸幕府は威信をかけて、日光東照宮をどんどん豪華で荘厳なものへと改築していきました。現在、日光東照宮は世界遺産にも指定されていますが、家康公は苦笑いしているかもしれません。

 その後、徳川家だけでなく、全国各地の大名たちもこぞって東照宮を建立するようになり、一番多いときには約700社も出来たそうです。
 現在残っているのは約130社。例えば、東京にあるのは上野東照宮と芝東照宮の2社。また、芝大神宮には相殿が祀られ、大國魂神社の境内にも2代将軍・秀忠が造営した東照宮が残っています。

全国東照宮連合會

参考記事:


かつては寛永寺、今は上野動物園の隣りに鎮座

 東京都台東区の上野公園。上野動物園をはじめ、博物館や美術館など文化施設がたくさんあり、春は桜の名所としても有名。1年中、たくさんの人で賑わっています。
 JRや京成電鉄の上野駅から上野公園に入り、上野動物園の表門のちょっと手前に、上野東照宮への参道があります。ちょうど小さな売店(東照宮第1売店)や甘味処の新鶯亭(しんうぐいすてい)があるところです。

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 上野東照宮は寛永4年(1627年)の創建。天海僧正が上野の地に東叡山寛永寺を開山した際、境内にたくさんの支院や神社が建てられ、その中にあった神社「東照社」が後に正式に東照宮となりました。

 大きな石鳥居をくぐって参道を進むと、たくさんの灯籠が並んでいます。その数、約250基。
 慶安4年(1651年)、3代将軍・徳川家光公は、遠い日光まで参拝に行けない江戸の庶民のために、日光東照宮に準じた豪華な社殿に造営替えしました(これが現在の社殿です)。その際、全国の大名が競うように奉納したのが、この石灯籠です。
 さらに進んだ先にある全48基の銅灯籠も、紀伊・水戸・尾張の徳川御三家をはじめ、諸大名から奉納されたものです。

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数々の戦火をくぐり抜けて来た強運の神社

 右手に寛永寺の五重塔を見上げながら進むと、金色に輝く唐門が見えてきます。慶安4年(1651年)に造営されたもので、正式名称は「唐破風造り四脚門(からはふづくりよつあしもん)」。左甚五郎作の昇り龍・降り龍をはじめ、精緻な彫刻や透し彫りが見事です。

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 唐門だけでも美しいですし、ここでもお参りできますが、せっかくですので門の中に入って、社殿を拝みましょう(社殿内は非公開)。拝観料500円。
 社殿は慶安4年(1651年)の造営で、拝殿、幣殿(へいでん)、本殿の3室から成る権現造りです。実は2009年から2013年まで修復工事が行われ、2014年から再び公開されたばかり。金色殿の別名通り、美しい姿が蘇りました。豪華ながら、どこか落ち着いた雰囲気も感じられます。

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 社殿は隙間が空いた透塀で囲まれています。こちらにもさまざまな彫刻が施されていますので、注意して見てみましょう。
 ちなみに社殿、唐門、透塀、大石鳥居、50基の銅灯籠が国指定重要文化財です。

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 社殿の左手奥に、小さな神社が建っていました。栄誉権現社です。もとは江戸城内に祀られていましたが、災いが続いたので、東照宮に寄贈されたそうです。
 別名「御狸様」と呼ばれ、「たぬき=他を抜く」ことから、強運開祖、受験・就職・必勝の神様として信仰されています。 

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 その手前に大きな楠のご神木が立っています。樹齢600年以上、8m以上という幹の太さは上野公園で一番だそうです。 

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 歴史ある社殿や唐門が、幕末の上野戦争、関東大震災、第二次世界大戦の戦火にも焼失することなく、今に残っているのは奇跡的かもしれません。出世、勝利、健康長寿にご利益があるとされるのも納得です。


大輪で優雅な牡丹の花を愛でる

 参道に入ってすぐ左手に広がるのが、上野東照宮ぼたん苑です。昭和55年(1980年)、日中友好を記念して開苑したもので、中国牡丹やアメリカ品種、フランス品種など、500株以上が大切に育てられています。
 牡丹は中国原産の花で、中国では「富貴」の象徴とされます。大輪でゴージャスな感じですが、西洋の花言葉は「恥じらい」です。
 花の時期は4月〜6月ですが、早春と初冬の2回咲く(二期咲き)品種もあります。ちょうどお正月頃に咲く冬咲きのものは「寒牡丹」と呼ばれます。
 上野東照宮では毎年、4月上旬〜5月上旬に「春のぼたん祭」が開催され、1月1日〜2月下旬に「冬ぼたん」の公開があります。

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 今回訪れたのはゴールデンウィークの最中で、牡丹も見頃。順路の左右に、色や形、大きさがさまざまな牡丹が咲いています。牡丹にこんなに種類があるとは知りませんでした。
 出口には茶屋があって、ひと休みできます。

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 ぼたん苑の入苑料は大人(中学生以上)700円です。社殿共通拝観券1,100円もありますので、先に社殿を見学する場合にはお忘れなく。
 ちなみに「春のぼたん祭」開催中には、御朱印に牡丹の花の絵が入り、また、幸せぼたん守(500円)が限定授与されます。

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上野東照宮 うえのとうしょうぐう
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園9-88
電話:03-3822-3455
ホームページ:http://www.uenotoshogu.com
最寄駅:JR「上野駅」公園口より徒歩約5分
 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」不忍口より徒歩約10分
 京成電鉄「京成上野駅」池之端口より徒歩約5分

ご祭神:徳川家康公(東照大権現)、徳川吉宗公、徳川慶喜公