【開運さんぽ・神社】
大國魂神社

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●武蔵の国の守り神である古社
 去る3月終わり、所用のため調布方面まで行ったので、府中に鎮座する大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)を参拝して来ました。

 大國魂神社の主祭神は、大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)。出雲大社の大国主神と同じ神様で、その昔、武蔵の国を開き、人々に衣食住の方法や医療、まじないの術などを授けられたとされます。縁結び、また厄除け・厄払いの神として有名です。

 12代景行天皇41年(111年)5月5日、この地に大國魂大神が降臨し、それを祀ったのが神社の創建とされます。その5月5日は例祭になっています。
 大化の改新(645年)で府中に国府が置かれたことで、武蔵国の総社となります。総社とはその昔、地方行政の官吏が祭祀を行いやすいように、地域内の神社の祭神を集めて祀った(合祀)神社のことです。
 その後、武蔵国一之宮から六之宮までの6社を祀るようになりました。それは一之宮(小野神社)、二之宮(二宮神社)、三之宮(氷川神社)、四之宮(秩父神社)、五之宮(金鑚神社)、六之宮(杉山神社)で、埼玉県から神奈川県まで広い地域に渡っています。
 今は東京五社の一社にも数えられています。

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●一度で武蔵の神社をすべて参拝
 京王線の府中駅を降りてショッピングセンターを抜け、国道229号に出ると、もう目の前に大鳥居が見えます。この大鳥居は高さ10m、御影石製では日本一と言われています。
 広々とした参道に入ると、左右には摂社の宮乃め神社(みやのめじんじゃ)、末社の稲荷神社、戦没者慰霊碑、相撲場、さらにふるさと記念館などが並んでいます。

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 立派な随神門(ずいじんもん)をくぐって神域へ。この門は2011年に改築されたものです。
 左手に、時刻や緊急事態を知らせるための太鼓を置いた鼓楼。右手に宝物殿と神楽殿。「鶴石」と「亀石」という大きな石は「鳥居の前身」と推測されており、パワースポットとして人気があるようです。
 門の前のしだれ桜が、ちょうど花の見頃になっていました。

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 中雀門(ちゅうじゃくもん)をくぐります。
 現在の拝殿は明治18年に改築されたもの。構造は流造(ながれづくり)、切妻千鳥破風、銅板葺素木造。拝殿前はとても気持ちの良い空間です。
 本殿は拝殿のさらに奥、塀に囲まれていて全容が見えませんが、3殿が横につながって並んでおり、中殿に大國魂大神、御霊大神、国内諸神が。向かって左の東殿には一ノ宮から三ノ宮。反対の西殿に四ノ宮から六ノ宮までが祀られています。
 つまり、ここは一度お参りするだけで、埼玉〜東京〜神奈川一帯の神社にお参りしたことになります。これは有難いですね!

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 ここでふと、おかしなことに気がつきます。普通、神社の本殿は太陽の方角を向くように、南向きもしくは左向きです。ところが大國魂神社はなぜか北向きなのです。
 元々はやはり南向きだったのですが、永承6年(1051年)、源頼義が北向きに改めたもの。当時の朝廷から見ると遠く離れ、権力が届きにくい東北地方を神威によって治めようと、わざと北向きに変えたのだそうです。
 そのためか、神域を示す紙垂(しで)も、一般的には右に流れるのが、ここでは逆向きの左に流れています。


●本殿をぐるり回って摂末社めぐり
 総社だけあり、広大な境内には数多くの摂末社が鎮座しています。
 拝殿の左手にあるのが水神社。水波能売命(ミズハノメノミコト)らを祀る小さな祠です。水神社の裏手では、井戸から汲み上げたご神水のせせらぎに人形(ひとがた)を流し、厄や穢れを取り除く「人形流し」が行えます。
 その奥には末社の松尾神社と巽神社(たつみじんじゃ)があります。

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 本殿をぐるりと回ると、立派なイチョウのご神木が立っています。樹齢は1000年とか。まだ葉が出る前で、ちょっと寒そうでした。

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 隣りの東照宮は、かつて徳川家康がこの一帯で鷹狩りなどを行っていた縁で、2代将軍・秀忠が造営したものです。
 さらに住吉神社、大鷲神社という末社が並びます。

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 参道の宮乃め神社(みやのめじんじゃ)の祭神は天鈿女命(アメノウヅメノミコト)で、演芸の神、安産の神様として崇敬されています。普通の絵馬の隣りには、なぜか柄杓(ひしゃく)が奉納されています。しかも底には穴が? これは、穴から水が流れるごとく、お産が軽くなりますようにという願いが込められているのだそうです。

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 そのほか、境内の外にも末社がいくつもあり、まさにさまざまな神様が一堂に集まった神社なのです。


●くらやみ祭りと天然記念物のケヤキ並木
 大国魂神社は「くらやみ祭り」でも有名です。毎年4月30日〜5月6日の間、祈晴祭、山車巡行、競馬式(こまくらべ)などさまざまな行事、神事が行われます。そのクライマックスが5月5日の例祭なのですが、神輿渡御が始まるのがなんと暗くなる午後6時。これは、神聖な神様を人目に触れさせてはいけないと、神輿渡御を暗闇の中で行ったことによります。かつては町中の灯を消し、深夜に行われていましたが、今は夕刻からとなりました。
 関東三大奇祭の一つとされ、毎年約70万人の人出があるそうです。

 ちなみに、境内から約700mに渡って、立派な欅(ケヤキ)などが並ぶ並木道になっており、馬場大門欅並木と呼ばれます。源頼義・義家の父子が奥州征伐(1051〜62年)の途中、ここで戦勝を祈願したのが縁で、欅の苗木1000本を奉樹したのが発端。残念ながら当時のケヤキは枯れてしまい、現存する最古の木は江戸時代に植樹されたものだそうです。ケヤキ並木としては日本で唯一の天然記念物になっています。

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大國魂神社 おおくにたまじんじゃ
住所:〒183-0023 東京都府中市宮町3-1
電話:042-362-2130
最寄駅:京王線「府中駅」徒歩約5分
 JR武蔵野線・南武線「府中本町駅」徒歩約5分

主祭神:大國魂大神
東京五社