【開運さんぽ・神社】
桜の神様、木花咲耶姫

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●美しくも壮絶な逸話を持つ女神様
 桜の花、ソメイヨシノは先週開花したものの、このところの寒の戻りで開花が遅れてます。当初、東京の満開は4月1日でしたがまだまだ。数日遅くなりそうです。

 この桜をご神木とする神様がいらっしゃることをご存知ですか? それは木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)。古事記や日本書紀にも登場する美しい女神様です。大山祇神(オオヤマツミ)の娘で、天照大神(アマテラスオオミカミ)の孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が一目惚れして妻になりました。

 瓊瓊杵尊と一緒になった木花咲耶姫は、一夜で身ごもります。そのため、瓊瓊杵尊は「他の神の子ではないか?」と疑います。木花咲耶姫はその疑いを晴らすため、「瓊瓊杵尊の本当の子なら何があっても無事に産めるはず」と言い残して産屋に火をつけ、その炎の中で、火照命(ホデリノミコト:海幸彦)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホオリノミコト:山幸彦)の三神を産みました。このことから安産・子育ての神として厚い信仰を受けるようになりました。
 また、三神が産まれたとき、大山祇神が天舐酒(今の甘酒)を作ったという説話から酒造の神ともされます。


●美しい富士山は木花咲耶姫のご神体
 では、なぜ木花咲耶姫の神木が桜になったのでしょう。
 桜の名前の由来には諸説ありますが、コノハナサクヤヒメの「サクヤ」が「桜」に転化したという説が有名です。木花咲耶姫は、霞に乗って富士山の上まで飛び、花の種を蒔いたという説話もあります。

 なぜ富士山か?
 父神の大山祇神は日本の山々を統括する山の神で、木花咲耶姫に日本一の山、富士山を譲ったのです。そのため、富士山をご神体とする富士山本宮浅間大社や全国の浅間神社の主祭神は、木花咲耶姫です。

 ちなみに富士山本宮浅間大社では、古事記での表記「木花之佐久夜毘売命(コノハナノサクヤヒメノミコト)」を採用しており、別称「浅間大神」と呼ばれます。相殿は瓊々杵尊と大山祇神です。
 もちろんご神木は桜であり、境内には約500本の桜が植えられています。4月1日には月次祭と共に桜花祭(おうかさい)があり、さまざまな神事・行事が行われます。また、7月には富士山の山開きにあたり、安全を祈願する開山祭が開かれます。

 そのほか高千穂神社[宮崎県西臼杵郡]では高千穂神の一柱として、霧島神宮[鹿児島県霧島市]では主祭神の瓊瓊杵尊と共に相殿に祀られています。



 一方、父神の大山祇神を祭神とする神社には、全国の大山祇神社や三島神社などがあります。
 神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)もその1つ。大山阿夫利神社は、今から2200年以上前、第10代崇神天皇の時代に創建されたという古社です。古来から霊山として信仰を集め、特に江戸時代の「大山詣り」には年間20万人が押し寄せたそうです。このとき、木花咲耶姫は親子関係にあるため、大山と富士山の両山を参拝する「両詣り」も盛んに行われました。


 美しい桜と富士山。それは木花咲耶姫の姿そのものです。

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