【開運さんぽ・神社】
皆中稲荷神社

 12月は1年の締めくくりと同時に、次の新年の開運や商売繁盛を祈願する時期でもあります。例えば、今では宝くじは1年中販売されていますが、大晦日に抽選される年末ジャンボ宝くじは、来年の運試しという意味でも特別な人気があるようです。
 せっかく買うなら当たってほしい。くじやギャンブル、試験などの当選祈願に人気なのが、新宿区の皆中稲荷神社(かいちゅういなりじんじゃ)。最近ではコンサートなどの抽選チケットの当選を祈願に来る若い方も多いそうです。

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●江戸時代の鉄砲隊にちなんだ勝負事の神様
 創建は室町時代の天文2年(1533年)。
 現在のご祭神は、商売繁盛、福徳開運の稲荷神である倉稲之魂之大神(=宇迦之御魂大神、ウカノミタマノオオカミ)。そして、伊邪那岐之大神(イザナギノオオカミ)、伊邪那美之大神(イザナミノオオカミ)、諏訪大神(スワダイジン)、日本武命(ヤマトタケルノミコト)。

 江戸時代になって、関ヶ原の戦いでも活躍した鉄砲組が四谷から大久保あたりなどに駐屯し、今の大久保駅のある百人町には伊賀組百人鉄砲隊の屋敷があったことから、百人町という地名が付きました。
 この百人鉄砲隊は江戸で一、二を争う腕前で有名でしたが、ある与力が一生懸命射撃の研究をしていてもなかなか成果が上がりませんでした。そんなある夜、夢枕に稲荷之大神が立って霊符を示され、翌日、神社にお参りして練習をしたところ、なんと百発百中! ほかの者も護符を受けるとすべて当たったと社伝にあります。
 その話が広まり、射撃向上を願う旗本以外にも、賭け事に当たるように願う人が増え、「皆中(みなあたる)」ことから皆中稲荷神社となったそうです。

 皆中稲荷神社ではそのご縁から、奇数年の9月27日の秋季例大祭に「鉄炮組百人隊行列」が開かれます。当時の鉄砲隊に扮した行列や火縄銃試射が行われ、新宿区無形民俗文化財にもなっています。


●宝くじ当選祈願には皆中守と宝くじ入れのセットで
 JR山手線の大久保駅を降り、目の前の大久保通りを左手へ。ほんの1〜2分歩くと、百人町交番の隣りに皆中稲荷神社の鳥居が立っています。そこから入ってもいいのですが、すぐ脇の細い路地を入ると拝殿の正面に出ます。こちらが正式な参道でしょう。

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 拝殿は西を向いています。太平洋戦争の際に焼失し、1960年に再建されました。
 お稲荷さんではありますが、拝殿前の狛犬はキツネではありません。その代わりというか、手水舎の水盤はキツネのレリーフが彫られた立派なものです。

 境内には摂末社がいくつもあります。小道に沿って、百人辨材天社(商売繁盛の神様)、三峯神社、開運稲荷大神、御嶽神社の小さな祠が建っています。こちらも合わせてお参りしたいです。
 
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 拝殿隣りのビル1階に授与所があります。白地の皆中守(1000円)、的中御守(500円)、合格守(800円)など、さまざまなお守りが用意されています。
 なかでも皆中勝御守(2000円)は、金運を高めるというパワーストーンのタイガーアイを使った勾玉と、金の的に矢が命中している金彫入りの水晶根付がお守りとセットになったもの。
 また、宝くじ入れ(800円)も宝くじ的中を狙う人に人気のようです。

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 境内はさほど広くはありませんが、古い石碑などが立ち、歴史を感じさせます。駅のすぐ近くながら、落ち着いた雰囲気の神社でした。


皆中稲荷神社 かいちゅういなりじんじゃ
住所:東京都新宿区百人町1-11-16
電話:03-3361-4398
ホームページ:http://kaichuinari-jinja.or.jp
最寄駅:JR「新大久保」駅 徒歩2分
礼所受付時間:9時〜17時

ご祭神:
倉稲之魂之大神(宇迦之御魂大神)(ウカノミタマノオオカミ)
伊邪那岐之大神(イザナギノオオカミ)
伊邪那美之大神(イザナミノオオカミ)
諏訪大神(スワダイジン)
日本武命(ヤマトタケルノミコト)