【開運さんぽ・パワースポット】江戸の寺社(5)
江戸城の秘密

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●徳川家康が入る前から江戸城はあった
 江戸幕府を開いたのは徳川家康ですが、実は、はじめの江戸城は家康がつくったものではありません。
 平安から鎌倉時代にかけて、この地は江戸氏が治めており、その居館が今の本丸跡あたりにありました。
 江戸氏の没落後、長禄元年(1457年)に上杉氏の家臣、太田道灌が築城したのが江戸城です。その際、日枝神社や築土神社など多くの神社を江戸の守りとして勧請したといわれます。

 徳川家康が関東に入ったのは天正18年(1590年)。豊臣秀吉に東海から関東への領地替えを命じられたためでした。その後、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いを経て、慶長8年(1603年)に後陽成天皇から征夷大将軍に任命され、江戸幕府を開くことになります。

 家康はそれまで小規模であった江戸城を急ピッチで増強していきます。当時、江戸城の東側は湿地帯が広がるだけでした。城の拡張、堀の整備と共に、湿地帯や入り江を埋め立て、町の整備も同時に進めていきます。
 拡張工事は延々と続き、天守閣も含めた現在の形の工事(天下普請)が終わったのは万治3年(1660年)。実に50年もかかったのです。


●富士山からのエネルギーが集まる江戸
 風水では、地中を流れる気の流れを重要視します。その流れは「龍脈(りゅうみゃく)」と呼ばれ、大きいものは山の尾根伝いに流れています。
 龍脈を流れてきた気は、途中あるいは最後に「龍穴(りゅうけつ)」というスポットで吹き出し、エネルギーを受けることができます。いわゆるパワースポットの一種です。かつては龍脈が集まる地に都をつくり、龍穴の場所に宮殿や城、神社仏閣を造ることが基本だったのです。

 専門的なことは分かりませんが、世界中に大小の龍脈は存在しているそうです。
 日本で一番パワーを発生するのは富士山であり、そこから何本も龍脈が始まっています。そのうちの大きな2本(あるいは3本)は江戸に向かっており、最後には龍穴があります。そう、そこが江戸城なのです。

<甲州街道ルート>(※現在の地名)
富士山→大月→高尾山→八王子→多摩市→西新宿→四谷→皇居

<国道246号ルート>
富士山→丹沢山地→町田→田園調布→自由ヶ丘→赤坂→永田町→皇居

 そのほかにもいくつか流れはあり、富士山→東海道のほか、筑波山からの龍脈なども来ているようです。


●龍脈を最大限に利用しようとした天海僧正
 江戸城は本丸を中心に、天守閣や御殿、櫓(やぐら)、門など数多くの建築物で構成され、外敵からの防御のための内濠が配置されました(現在ある皇居のお堀)。

 江戸城の周囲には武家屋敷が集まり、その外側に外壕が取り囲んでいました。
 外濠は人工的に掘られた部分もありますが、日本橋川、外濠川、神田川などの河川をうまく利用し、最終的には隅田川へつながっていました。
 外濠のほとんどは戦後の高度成長期に埋められてしまいましたが、今でも四谷から市ヶ谷、飯田橋までの間には当時のまま残っています。四谷にある上智大学のグラウンドも外濠のあとです。

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 この外濠と内濠もつながっており、全体を見ると中心に向かって左回りの大きな渦巻きを描いていることに気がつくでしょう。
 これこそ天海僧正の仕業です。濠を渦巻き状に配置することで、江戸にある大地のパワーを集め、江戸城の中心(徳川家)に送り込む壮大な仕掛けなのです。

 江戸城の龍穴は、皇居東御苑の天守閣跡にあるといわれます。やはり本丸が一番のパワースポットなのです。
 本丸があった場所は今は皇居東御苑となっており、天守閣の石垣も残っています。無料で誰でも入ることができます。皇居前広場(二重橋〜和田倉噴水公園)も良い気があふれていると言う人もいます。

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 もう一つの江戸城の大きなパワースポットは半蔵門。つまり、国道246号ルートの龍脈の最終地点です。半蔵門から大手町まで、南側をぐるりと回る散歩コースはいいかもしれません。
 今は皇居の外周はランニングの人気コースになっていますが、その理由が分かる気がします。
 
 
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 ただし、1ヵ所だけ気を付けなければいけない場所があります。江戸城にはたくさんの門がありましたが、北東のいわゆる鬼門の位置にあるのが「平川門」です。今は東京メトロ東西線の竹橋駅が目の前にあります。
 この門は城内の糞尿、死体、罪人を外に出すときに使われ、「不浄門」と呼ばれました。大奥に近かったため、大奥の女性が使う以外は、一般の武士が出入りすることはありませんでした。
 今も負のパワーは存在し、あまり長居しないほうがいいと言う人もいます。


●どんどん変わっていく東京の風水
 江戸から東京に変わり、街はさらに巨大化していきます。
 外濠はほとんど埋められてしまいましたが、その代わり、大きな道路や高速道路、鉄道ができ、人々の移動によって大きなエネルギーが流れるようになりました。
 西新宿や汐留などの高層ビル群や巨大建築物は「大きな山」と見なされ、それによっても風水の見方が変わってくるそうです。

 災害や戦火で焼け野原になったり、神社仏閣が移転させらたりして、徳川家が作り上げた結界は破られてしまったのかもしれません。
 それでも東京は日本の中心であり、まだまだ発展しています。街は常に成長し、風水もそれに合わせて変わっていくものなのでしょう。


皇居東御苑
住所:東京都千代田区皇居外苑1-1
営業時間:入園自由、無休
最寄り駅(大手門):
東京メトロ・都営地下鉄「大手町」駅(C13a出口)徒歩5分


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