【福豆通信】
お坊さんと神主さん

 1月12日(月)の夜にテレビ朝日系で「ぶっちゃけ寺 ゴールデン3時間SP」が放映されました。特番なのでいろいろなコーナーがありましたが、いつものお坊さんに加え、5人の神主さんが登場して、仏教と神道の違いなどについて話していました。
 とても興味深かったので、一部を簡単にご紹介しましょう。

『今日本にある寺院は約7万7000、神社は約8万5000。』
(出典:平成24年版 宗教年鑑)
『お坊さんの数は約33万人。それに対し神主さんは約7万7000人。』

 そもそもお坊さんと神主さんの違いはどこにあるのでしょうか。

『お坊さんは仏様の弟子として修行をし、仏になるのが目的。』
『神道ではあくまで神様が主で、神主は黒子。神職は神様におつかえする身。』

 お寺は歴代の住職さんが継いでいくほか、誰でもお寺に入門して修行することができます。
 一方、神主はほとんど世襲で、一般の人が神職になるのはかなり難しいそうです(特別な許可がいろいろ必要)。

 お寺よりも神社の数が多いのに、お坊さんの数の方が圧倒的に多いのは、修行しているお坊さんがいるため。大きいお寺に行くと修行僧の方がたくさんいらっしゃいますね。
 また、会社や個人で敷地内に勧請したお稲荷さんや、町会で管理している小さな神社など、神主さんが常駐していない神社がたくさんあります。それも数の違いに表れているのでしょう。

 では、仏教と神道は何が違うのでしょう。

『仏教の開祖はお釈迦様。
 教典や修行のための戒律などがある。』

『神道は開祖がいなければ、教義も教典もない。
 太古から信仰されてきたものなので、入信も脱会もない。
 修行もなく、(神様に対する)儀式に重点を置いている。』

 例えば、お経はお釈迦様の教えをまとめたものであり、それを唱えること自体が修行になります。
 一方、神社で神事の際に唱えられる祝詞(のりと)は、神様に祈願の内容を伝えるもの。祝詞にはなにやら難しい言葉が使われますが、これは大和言葉(1000年以上昔の古代の言葉)で、昔からいらっしゃる神様にはこちらの方が伝わりやすいのだそうです。

『神道は過去も未来も考えない。「ただいま ただいま」だけ。
 今一生懸命生きることが明るい未来につながる。』

 日本ではお葬式やお墓はお寺が多く、神社は七五三や結婚式など人生儀礼や祝いの行事が多くあります。
 つまり仏教は死後の来世の幸せを祈り、神道は現世の幸せを祈る、といえるでしょう。金運や恋愛運など「今現在の願い」は神様にするものです。

 また、こんな違いも紹介されました。
『お坊さんの名前は基本的に音読み(中国から来た読み方)。
 神主さんの名前は訓読み(大和言葉)。』

 なるほど!と思ったこと多く、なかなか興味深い回でした。
 以上の違いなどは、あくまでテレビ番組で簡単に紹介されたものです。本来はもっと厳密な解釈や別説があることをご了承ください。


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