【参拝作法】
神社仏閣の参拝方法

 神社仏閣に参拝するのはとてもいいことですが、できるなら正しい作法で行いたいものです。神様や仏様にお願い事をするのは、人にものをお願いするのと同じこと。礼儀正しい人が好かれるのは当然でしょう。
 大きな神社仏閣では友達連れや団体で来る人も多いですが、自分がどこに来たのかも、誰に参拝するのかも分からないまま、恋愛祈願とかしている人をたまに見かけます。それはちょっと問題外。参拝にはきちんとした目的意識が大切です。


【1 鳥居の前で挨拶】
 鳥居の中は神域です。入口の鳥居をくぐる前に衣服を整え、一揖(いちゆう:軽いお辞儀)をします。
 鳥居がいくつかある場合は、一の鳥居から順番にくぐるようにしましょう。

【2 手水舎で身を清める】
 手水舎(ちょうずや、てみずや)の水で心身を清めます。
 正式に身を清めるには川や海で禊(みそぎ)をしなければなりません。実際にはそれはできませんので、禊を簡略化したものが手水舎の作法です。

 柄杓(ひしゃく)に水を汲むのは1回だけです。水を無駄にしないという心得です。
 1回汲んだ水で以下のすべての動作を行いますので、うまく水の量を調整してください。たくさん流したから清められるわけではありません。

(1)右手で柄杓を持ち、水を汲んで、左手を洗います。
(2)柄杓を左手に持ち替えて、右手を洗います。
(3)柄杓を右手に持ち直し、左手のひらに水を受けて、口をすすぎます。
   水は飲んではいけません。もし水質が気になる場合は、口にふくむ振りだけで構いません。
 
(4)左手をもう一度洗います。
(5)水の入った柄杓を立て、残った水を柄に流します。
(6)柄杓を元あった場所に伏せて置きます。

20141214_P5303811


【3 参道から神前へ】
 参道を歩く場合は、真ん中を避けて歩きます。
 参道の中央は「正中(せいちゅう)」といい、神様が歩く道だからです。

【4 神殿での参拝】
(1)一揖して、賽銭箱にお賽銭を入れます。
   基本的にはお賽銭は投げずに、静かに入れましょう。

(2)鈴を鳴らします。
   神様に自分が来たことを知らせるためなので、大きな音で鳴らしましょう。

(3)二拝二拍手一拝(出雲大社など一部の神社では異なります)
 1:深いお辞儀(拝)を2回します。
 2:柏手(かしわで)を2回打ちます。
   このとき、右手を少し手前に引き、両手をずらして打ちます。
 3:両手をきちんと合わせて祈ります。
   まず自分の名前、住所、年齢を心の中で唱えます。
   次に日頃の御礼、あるいは願いが叶った御礼を申し上げます。
   本来は「願い事」よりも、「自分はこうします」「〜を頑張ります」といった決意を伝えるものだそうです。
 4:最後に深いお辞儀(拝)をします。

(4)一揖して退きます。
(5)境内から出るとき、鳥居で振り返り、本殿に向かって一礼します。


【お寺の場合】
 お寺での参拝も、神社とほぼ同様です。宗派によって異なることもあります。

(1)山門の前で一揖します。
(2)手水舎で身を清めます。
(3)お線香やロウソクを上げます。(ない場合は省略)
 ロウソクを立てる場合は、必ず種火から点けます。他の人の立てたロウソクからそのまま火を点けると、その人の「業」をもらい受けてしまうそうです。
 
(4)ご本尊前で一揖します。
(5)お賽銭を入れて、鈴を鳴らします。
(6)胸の前で合掌(両手を合わせる)して祈願します。
   神社と違って、柏手を打たないように注意しましょう。
   お寺によっては真言やお題目を唱えます。
 
(7)一揖して退きます。
(8)山門から出るとき、本堂に向かって合掌して一礼します。


 参拝が済んだら、お守り、絵馬を授与していただきます。おみくじを引いたり、御朱印をいただくのもいいでしょう。
 加持祈祷やお寺でのお護摩などは実施時間が決まっていることが多いので、それぞれ確認してください。


【正式参拝とは】
 このようにふだん行っている参拝ですが、実は、これは略式の参拝。
 正式参拝とは社殿の中に入って、決められた作法に従って行う昇殿参拝のことなのです。
 「正式参拝をしなければご利益はない」と言う人もいますが、初詣や厄払いの節目、あるいは大きな悩みがあるときなどは正式参拝するのはいかがでしょう。
 正式参拝は申し込みをして、初穂料(神様にお納めするお金)などを納めます。神社仏閣によって作法が異なりますので、詳しいことは直接ご確認ください。


 公式ホームページなどでも参拝方法を紹介しています。参考にしてください。

東京都神社庁 参拝の作法

東京大神宮 参拝の作法

住吉大社 参拝の作法

浅草神社 神社の豆知識