【開運さんぽ・ご利益】
商売繁盛の神様

 明日11月10日(月)は一の酉です。縁起物の熊手を求める人で大いに賑わうことでしょう。
 またこれから大晦日にかけて、1年を締めくくり、来年の商売繁盛や五穀豊穣を願う行事がいろいろ行われます。
 商売繁盛は金銭運、財産運にもつながりますから、みんな願うのは当たり前。日本にはたくさんの商売繁盛の神様がいらっしゃいます。


稲荷神(いなりのかみ・いなりしん)
 日本古来の神様で、元々は五穀・食物を司る神様でしたが、中世以降は工業や商売の守護神となり、今はあらゆる商売繁盛、金銭の神様として信仰を集めるようになりました。
 稲荷神を祀るのが稲荷神社で、稲荷大明神、お稲荷様、お稲荷さんなどと呼ばれます。神道の稲荷神社の総本宮は京都市伏見区の伏見稲荷大社ですが、愛知県の豊川稲地は曹洞宗の寺院です。これは昔の神仏混合の名残です。
 主祭神は、五穀を司る宇迦之御魂神(倉稲魂神)(ウカノミタマノカミ)、豊宇気毘売命(トヨウケビメ)、保食神(ウケモチ)など。
 お稲荷さんといえば、赤い鳥居に白狐の像。狐は昔より神聖な生き物とされ、いつの間にか稲荷神の神の使いになりました。


恵比寿神(えびすしん)
 恵比寿様は漁業の神様で、釣り竿を持って大きな鯛を抱えた姿に描かれます。今は商売繁盛の神様、福の神として有名です。安売りや縁日が立つ「えびす講」(10月20日または11月20日)、「十日えびす」は五穀豊穣や商売繁盛を祈願する行事です。
 七福神の中で唯一、日本の神様ですが、その出自は諸説あってはっきりしません。
 恵比寿には、恵比須、恵美須、夷、戎、蝦夷、蛭子など多数の書き方があり、また「えべっさん」の名前で親しまれています。
 「えびす神社」は全国に3500社以上あり、総本社は兵庫県西宮市の西宮神社です。


大黒天(だいこくてん)
 七福神の一人で、食物や福徳を司る神様です。米俵の上に座り、頭には頭巾、手には打ち出の小槌を持ち、大きな袋を背負っています。
 元々はヒンドゥー教の神様マハーカーラで、密教の神様として日本に伝来。大黒と大国の読みが似ていることから、日本神話の大国主神(オオクニヌシノミコト)と一緒になって、今の姿形になりました。
 神の使いはネズミです。


弁財天(べんざいてん)
 七福神の中で、唯一の女神です。「弁天(べんてん)」ともいいます。
 元々はヒンドゥー教の河の神様、サラスヴァティーという女神です。弁天堂がよく池や泉のそばに建てられているのはそのためです。
 日本に伝来してからは楽器の琵琶を抱えた姿に描かれ、音楽・芸術の神様として信仰を集めました。
 元は「弁才天」と書いていたのが「弁財天」に変化し、今は財宝・金銭の神様として有名です。鎌倉市の銭洗弁財天宇賀福神社をはじめ、境内の水でお金を洗うと数倍になって返ってくるという信仰があります。
 
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